投稿

6月, 2023の投稿を表示しています

REPORT_12 横濱スカーフ/株式会社 丸加 

イメージ
■ 高い捺染技術と丁寧な手仕事による上質なスカーフ 今回は横浜でシルクのスカーフを中心としたオリジナルブランドのデザイン企画・製造から卸売、また受託製造でものづくりをされている株式会社丸加さんをご紹介します。 1952年の創業以来、手捺染によるこだわりと、精度の高いプリント技術により極めて上質なスカーフを製造されています。その技術の高さはプリントで名高いイタリア・コモとも肩を並べるほどです。  手捺染にこだわる理由は主にペネトレーションとスクエアネスにあります。首に巻くと裏も表も見えるスカーフは、裏が白いと価値が落ちるため、裏まで色を浸透させる必要がある。加えて、タテ・ヨコの地の目を正確に揃える必要がある。これらを考慮すると、オートスクリーンやインクジェットプリントより手捺染のほうがはるかに優位性が高いからです。 ■ スカーフができるまでの工程 生産は分業で行われ、栃木県足利市の捺染工場にて捺染・蒸しの工程が行われています。 〔デザイン〕  様々な資料をもとにデザイン(図案作成)される。デザインによっては1〜2年をかけて丁寧に打ち合わせを重ね、デザインを練る。 〔製版〕  使用する色の数だけ捺染用の型をそれぞれ制作する。捺染用の型は型枠に薄手の紗を張ったもの。現在のように合成繊維が使用される前はシルクを使用しており、その名残からシルクスクリーンとも呼ばれている。スクリーンを使った捺染は1927年頃に世界的に広がったと考えられている。日本にも同じ時期に伝わる。 〔調色(色合わせ)〕  ミリグラム単位で計測した染料と糊を混ぜ、色糊を作る。 〔地張り〕  捺染台に生地を張る作業。生地の方向を確認し台に対し水平垂直に張っていく。この作業がプリントや縫製、仕上がりを左右するため慎重に行われる。 〔手捺染〕  型とスケージと呼ばれる大きなヘラを使用。向かい合って配置されている約25mの捺染台を往復し、色ごとに捺染していく。 〔蒸し〕  捺染の後に熱を加える事で染料を生地に固着する。 〔水洗〕  糊を落とし、色落ち等を防ぐために余分な染料を落とす。 〔縫製〕  職人さんが手でロール状に巻き込みながら均一に縫っていく「手巻き」と呼ばれる方法で、一針一針丁寧に縁を縫って仕上げる。手間がかかる作業であるが、ソフトでふっくらとした縁に仕上がる。   ■ ファクトリーブランド 丸加さんでは