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REPORT_14 伝統文化からポップカルチャーへ /高田織物株式会社

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岡山県倉敷市は多くの繊維製品を製造しています。国産ジーンズ発祥の地を代表するデニム製品や県内で8割ほどのシェアを持つ学生服のウェアをはじめ、バッグなどの生地である倉敷帆布は前回取材し、j布レポートでも取り上げました。 この度は学生服同様、多くの全国シェアを持つ畳縁織物を製造している高田織物株式会社のものづくりを紹介いたします。卒業生ゼミ生が高田織物に勤務していたこともあり、工場に隣接するショップ「FLAT」に何度か訪問していました。 柄の豊富さや畳縁としての用途以外のものづくりに興味を持ち、高田織物株式会社代表取締役高田尚志様にお会いし、先のものづくりのお話をお聞きするため、取材させていただきました。 畳縁織物は約8cmの幅で、岡山県内で製造される真田紐と同じく細幅タイプの織物になります。ルーツも重なる部分があり、高田織物は1890年頃創業の真田紐製造から段階的に畳縁織物製造に変わります。 2012年に初めて工場で織機や畳縁織物がぐるぐると巻かれた状態を見た時、非常に新鮮な印象だったことを思い出します。現在、畳縁織物製造メーカーは倉敷市唐琴地域に15社程度あり、最盛期よりは社数は減少しましたが、全国8割程度のシェアがあり、まだまだ伝統の和を支えています。 高田尚志様に会社の特色を伺ったところ、「多品種」、「小ロット」、「短納期」とのことでした。品種は約1,000種あり、先のFLATでそれらの生地を見ることができます。 FLATは畳縁織物を多くの人に知ってもらうために2014年にオープンしています。「畳の縁に使われる畳縁織物を選んで購入する機会はそもそも少なく、その機会がなければあまり関わることのない織物である。このようなことを意識し、接する機会を増やすため、多品種の生地を紹介できるショップFLATにつながった」と高田様はお話されました。 また、クリエイターとコラボした商品展開や、一般の方が畳縁織物を活用したものづくりができるよう、導くためのハンドメイドブック作りも積極的に行われています。 そして、クリーマーのクリエイターとのコラボやバッグ作りのコンペなど、畳縁織物生地からの自由な発想を導く素地を提供される企画が多くあることを知りました。高田様曰く、メーカーは生地を作る、そこからのデザインやものづくりは幅広く生み出されていくような環境作りを考えながら行動されるお話を聞