REPORT_17「心踊る日常」/ イラストレーター hirotajunko

日々の生活に彩りを添えること、自分だけの特別感を味わうこと、そして様々なカタチで
イロが持つ力を伝えていく活動をされている、TDA正会員の廣田純子氏をご紹介します。

【アフリカ文化との出会い】

大阪生まれ。京都市立芸術大学ビジュアルデザイン科卒業後、テキスタイルメーカーのデザイン部3年勤務後に渡仏。パリで「フランス国立高等装飾美術学校(ENSAD)」にてイラストレーションを2年半、ペーパーデザインやテキスタイルデザインデザインを学ばれました。フランス在住時に、モンマルトルのテキスタイルショップで「アフリカの布」に出会い、西アフリカに魅せられブルキナファソへ。友人宅に約20日間滞在し、現地の染織を見て学ばれたそうです。その中で、風土から生み出される文様や技法は自国日本にも通じることに気づき、日本を見直すきっかけとなり日本でものづくりをしたい気持ちが大きく動いたとのこと、フランスとアフリカ文化に影響され帰国されます。

帰国後は再びテキスタイルデザインの仕事を始められます。現在フリーランスとしてイラスト、テキスタイル、雑貨、絵本など日仏で活動されています。

ヒロタさんとの出会いは確かTDAのセミナーで、一時帰国されていた頃だったかと記憶しています。ヒロタさんのイラストのセンスに惹かれ、展示会のイメージに合わせて麻の布に手描きしてもらうことがありました。その頃から今に至るまで長くお付き合いをいただいています。

【フェアトレードとの出会い】
その後、フェアトレードの会社との出会いが、ヒロタさんの活動に大きな影響を与えました。
社会的背景もあり、循環のことに関心が深まるタイミングだったと思います。使われたものに再び手を加え新たなものへ、そして次に回していくという姿勢、ヒロタさんなりの感性が活かされて行く事になります。

古着にもう一手間加える。染めて刺繍してペイントして「巡り巡る循環する服」。リメイクすることや端材を活かす事に注目をし、また手元にある残布や残糸を活かしたアクセサリー作りが始まって行きます。「アップサイクル」としての作品が定着していきます。

【子ども向けWS】
美術館、百貨店、ショップなどで子ども向けWSにも熱心に取り組んでおられます。何でも簡単に手に入る時代に、何もないところから生み出す力、創造力を養っていきます。様々な素材(端材)に触れ、感覚、ひらめき、直感を大切にしたWSです。子どもに限らず、誰もがアートを身近に感じる体験です。

ヒロタさんのハンカチーフ作品は絵画としての価値がある作品です。最近一緒に取り組んでいる百貨店での催事では、お客さまは1枚の絵画を購入するような感覚で選んでおられます。

【今、そしてこれから】
今は社会的にも廃棄される素材を活かすアップサイクルの作品作りが定着していますが、ヒロタさんは今後さらに「あるものから生み出す」「あるものを特別なものに」をテーマに作品作りを進めていきたいと考えておられます。

単に端材を使用することに意味を持たせるのではなく、丁寧に作られた素材の活かし方に注力されています。量産の素材では生み出せない手間、ヒマ、時間がかけられた素材だからこそ蘇る逸品を目指しておられます。意味があるものづくり、もともと素材が持っていた強さを引き出すこと、これから生み出される作品が益々楽しみです。

REPORTER : 北川陽子 (TDA執行委員)








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